カートコバーンの遺言

XITとNAO NEDのコラボレートサングラス「BRO!」。ユニークでありながらもスタイリッシュなファッション性に魅了されます。次世代を感じさせるデザインがお見事です。

左 XIT eyewearのデザイナー、ライオネル・ベレット氏。右 NAO NEDのデザイナー、ジャン・フィリップ氏

究極に非対称なのに、違和感がないのは、ふたりの感性が共鳴しているからでしょうか。

ニューウェーブな形でもあるテレビジョンカットもシートメタルを切削することにより、フェミニンなサングラスになるから不思議です。

フランス文学好きなライオネル氏の遊び心が粋な人気モデル。かけてる人に近づき、その詩を読んであげたくなりそうです。(笑)そういう仕掛けが思い浮かぶライオネル氏こそ詩人ですね。

“it’s better to burn out than to fade away”はカート・コバーンの遺書に書かれていた言葉で、「錆びついていくなら今燃え尽きたほうがいい。」彼がリスペクトしていたミュージシャン、ニールヤングの”Hey Hey,My My”の歌詞の一節をフレームに刻んだモデルです。

ライオネルさんのそういう思い…この方には届いたのかもしれません。


FOR YOUR EYES ONLY

僕が最初に映画館で観た洋画は007 FOR YOUR EYES ONLYだった。今は無きセントラル会館(当時の有楽)での上映でした。ジェームズ・ボンド役はロジャームーア。ボンドガールのメリナ役にキャロル・ブーケ。激しいアクションと情熱を秘めたロマンスシーンが印象的な作品だった。小5の僕は父が連れてきてくれたおかげで観ることができた。

長い黒髪をなびかせながら、聡明で知的な雰囲気のメリナ役のキャロル・ブーケ。
現在でもシャネルのモデルとして活躍されている。

主題歌はデビューしたばかりのシーナ・イーストン。FOR YOUR EYES ONLYは「あなたの瞳にだけ」という意味のようです。甘いballadeだけど、どことなくミステリアスな曲です。

映画のラストシーン。壮絶な戦いから解放されたメリナ(キャロル・ブーケ)は任務を終えたジェームズ・ボンドと船上にふたり。サッチャー首相からのお祝いの言葉を無視して、ふたりで海へと身を委ねます。メリナは水色のバスローブを鮮やかに脱ぎ捨て「FOR YOUR EYES ONLY NIGHT」(今夜あなただけに見てほしい…)と言い、ボンドを月夜の海へと誘うのでした。

                      ちょうどココ

今振り返ってみると007FOR YOUR EYES ONLYはシリーズでは珍しくキスシーンすらない映画でした。当時好きな映画だったら二度も三度も観に行く父ゆえに、この映画は小5の小僧に観せるにはちょうどよく背伸び出来る映画だなと思ったのでしょう(笑)。

20年前、父と僕とでいろんなことを話しながら、このお店をデザインしていきました。ある夜、テントにひとつのメッセージを入れたいと父に話しました。

「FOR YOUR EYES ONLY」

父が「お前に見てほしかっ」と初めて連れて行ってくれた外国映画。その時の喜びとラストの台詞が忘れられなくて、きっとこの言葉はずっと大切になってゆくのだろうと。

「あなたの瞳にだけ」

「FOR YOUR EYES ONLY」のこと後でちゃんとブログに書けよと言わんばかりに、お店に丁寧に矢印までペイントしてくれてました。(笑)父はやっぱり絵描きです。

「FOR YOUR EYES ONLY」

最後に、この言葉には「秘密ですよ。」「内緒ですよ。」という意味を指すこともあるのです。

ブログを読んでいただいた方、ここでのダブルミーニングのお話は…..

「FOR YOUR EYES ONLY」

これからも、あなただけに見てほしいと言われるような眼鏡を、あなただけに見てほしいと言われた時にきちんと見える眼鏡を、そしてたとえ見えなくても、その人が、あなただけに見てほしいと心が喜ぶ眼鏡をご提供していきたいと思っております。


龍のタトゥーサングラス

前にブログで紹介させていただいたルーカス・ド・スタールとタトゥーアーティスト、イージーサシャさんのコラボレートサングラスを身につけてみました。とても柔らかなかけ心地でフィット感も素晴らしいです。サングラスに付属している専用の豪華なボックスはリビングルームに屏風のように飾るアート品だと思います。

龍は古来より神仏と密接な関係があったようです。サングラスに彫られている、昇天・降臨の昇り竜・降り龍の意味を調べてみました。紀元前後頃にインドで起った大乗仏教。この教義の中のひとつに上求菩提と下化衆生というものがあります。わかりやすく言えば、上求菩薩〈昇り竜〉の意味は悟りを求め修行に励むことにあり、下化衆生〈降り龍〉の意味は命あるものすべてに悟りを説くことに相当するとのことです。

サシャさんの刻んだ龍は降り龍。上がる下がるのくだりではなく、降臨のくだりであり、天から舞い降りる龍は「守り神」となると言い伝えがあるようです。一生ものの守護神としてのサングラス。カウレザーに彫られた龍とともに、日本に二本しかない一本を如何でしょうか。


XIT EYEWEARの丸いメガネ。


定番のラウンドスタイルのデザインもXITならではというようなポップな異素材使いのフレーム。
この素材はNXTという防弾プロテクト素材でもあります。軽量なのに傷が入りにくく、柔らかいですが弾丸をも通さない優れものです。

春の日差しを浴びて透けながら魅せてくれる色の世界は幻想に満ちていて、綺麗で、身に付ける方の瞳をゆらゆらとゆらしてくれるでしょう。ぜひ、マルセイユの風を感じてください。

街路樹そばの花壇の花が、そよ風に揺れながら微笑んでいました。春には鮮やかな色と儚げな色の交わる時が存在しますね。