フェルメール・ブルーの放つ、光と色。

FullSizeRender (46)
XIT N136

ink_vermeer_2

幼い頃に、迷子になった時のことです。お店の近くのアーケード街の突き当たりのアベニュー5番街という集合テナントで、その何とも言えない不思議な現象は起きました。入り口が何故か、わからなくなってしまい、とてつもない不安からか、辺りがすべて、この美しいフレームのような群青色の世界に徐々に変わっていったのです。その時から僕は、あの放たれた「青」の光の世界を、いつの間にか、忘れられないようになっていきました。

画家であるフェルメールが愛して止まなかった、天然ラピスラズリを顔料とするウルトラマリンの「青」。天然ラピスラズリは、当時、大変に高価な貴重品であったものでした。それでも、その美しさに魅せられて、フェルメールは借金をしてまでも、その放たれた「青」の世界の虜になっていきます。何かロマンティックですね。こういう話大好きです。そして、アイウェアデザインにも色を表現する世界が存在します。このXITのN136は一目惚れのデザインでした。透明感のある、防弾プロテクト素材「NXT」に、この「青」を表現するなんて、憎らしいくらいです。何せ、このNXT素材も高価なものですし、そのアプローチにフェルメールの「青」への想いに通ずる精神を感じてしまいました。それにしても綺麗な「青」です。この色は光の中で、波長が短く、エネルギーが大きい。言葉で、いつまでも語ってしまいそうな深い魅力のフェルメール・ブルー。この色に魅せられてきた、生物学者の福岡伸一先生曰く、この色は自然界にあまり存在しない色で、そこには色がないが、その構造が色を放ってるように見える「構造色」だそうです。元々そこに色がないと、色を取り出すことは出来ないですよね。ため息が出そうなロマンを感じてしまいます。

僕が眼鏡を見て美しいと思うのは、眼鏡そのものよりも、眼鏡が放つ光。そう光を感じて、その眼鏡だけが持っている美しさを認識しているみたいです。眼鏡のデザインをお選びになる時に、放たれる光を大切に感じ、見ることがあってもよいのではないでしょうか。色を見ようとすることよりも、光を感じてみてはいかがでしょうか。

投稿者:Kumashiro  2015/04/01 18:12アート アイウェア ライフスタイル